こんにちは!ころです。
8月18日(火)、吉祥寺シアター演劇部2026『オムニバス・ストーリーズ・プロジェクト(夏休み版)』がスタートしました!
今回の演劇部は、劇団「ロロ」主宰・劇作家・演出家の三浦直之さんを講師に迎え、中高生のみなさんと6日間かけて演劇をつくります。題材となるのは、三浦さんが書き下ろした50のキャラクターと、そのキャラクターたちの小さな物語を紡いでいく『オムニバス・ストーリーズ・プロジェクト』。今回のワークショップのために書き下ろされた新作エピソードも登場します。
初日は、まず自己紹介から。
好きなもの、最近ハマっていること、最近食べたおいしいもの……。
まだ少し緊張した空気のなか、それぞれの「好き」が少しずつ見えてきました。
そこから踏み込んだ最初の創作は、「ひと以外のものへのラブレター」。
10分で書いてみよう!
……と思ったら、みなさん書きたいことがたくさんあったようで、時間が足りず5分延長(笑)。
できあがったラブレターを、一人語りのモノローグとして声に出してみます。
黒蜜へのラブレター。
物語へのラブレター。
い・ろ・は・すへのラブレター。
信号機へのラブレター。
「そんなものにラブレターを書くの!?」というものから、「言われてみれば、確かに好きかも」と思うものまで、対象はさまざま。
そして何より、みなさんが書いた言葉がとてもすてきでした。
続いては、そのラブレターを会話=ダイアローグとして「対象」に聞かせてみます。
ここで三浦さんから出てきたのが、「聞くのが上手な俳優が、うまい俳優だと思う」という話。
演劇では、台詞を「言う」ことだけが大切なのではありません。
誰かに届ける。そして、相手から受け取る。
同じ台詞でも、聞いている人がどんなふうに聞いているかによって、台詞の聞こえ方は変わってきます。
向かい合ったり、横並びになったり。
いつ目が合うのか。
どの瞬間にコミュニケーションが生まれるのか。
普段なら何気なくしている「目を合わせる」「相手の話を待つ」ということも、演劇として意識してみると、なかなか奥が深い。
初日から、「演じる」ことについて考える時間が続きます。
さらに面白かったのが「舞台上にいる人は、誰もが主人公である」という話。
映画ならカメラが一人の表情をアップで映してくれます。
でも、舞台にはカメラがありません。
客席からは、舞台上にいるすべての人を見ることができる。
だからこそ、「誰か一人ではなく、舞台上にいるすべての人が主人公」という考え方ができます。
今回つくる作品についても、「60分の中できちんと物語を完結させる」「最後にはオチをつける」といった、いわゆる物語の型にとらわれるのではなく、物語になりきらない小さな出来事や、人の存在そのものをどう舞台にできるのかを考えていきます。
そのきっかけのひとつとして紹介されたのが、江國香織さんの『去年の雪』。
約300ページの中に、100人以上の人生が次々と登場する作品です。
一人の主人公の人生を追うのではなく、いろいろな人の人生が同時に存在している。
その作品を読んで、「自分の人生も肯定していいんだ」と思えるような感覚があった。
それを演劇にするなら、どうしたらいいんだろう?
そんな三浦さん自身の問いから、今回の創作にもつながっていきます。
この日のラブレターも、これから作品のシーンとして取り入れていく予定。
みんながいろいろな年齢の人物を演じてみるのも面白そうです。
最後のワークでは、少し身体を動かします。
テーマは、「夏の道を歩いていて思いつくオノマトペ」。
「ペタペタ」
「サラサラ」
「カランコロン」
「サワサワ」
「ザラザラ」
「ジリジリ」
それぞれが自分のオノマトペを持って歩き、目が合ったら相手に渡していきます。
歩く方向は決めない。もらったら、なるべく早く次の人へ。
言葉だけではなく、歩き方や身体の動きにも、それぞれの個性が少しずつ見えてきました。
初日から、台詞を書いて、声に出して、相手の話を聞いて、身体を動かして。
まだ始まったばかりですが、参加者のみなさんからは早くもたくさんの質問が飛び交っています。
この6日間で、どんな「だれか」が生まれるのか。
そして、どんな小さな物語が舞台の上に並んでいくのか。
まだまだ分かりません。だからこそ、楽しみです。
吉祥寺シアター演劇部、6日間の夏が始まりました!
(ころ)
