4月18日

こんにちは、ころです!
まもなく5月2日から吉祥寺シアターにて上演される、
ダンスカンパニーBaobab第17回本公演『ゆれ』

本日はこちらの作品についてお話させてください!

「ゆれ」と聞くと、どうしても“大きな出来事”“不安”を思い浮かべる方も多いかもしれません。
ですが、この作品が見つめているのは、もっと身近で、日常の中にも確かにある“揺れ”です。

たとえば、立っているときのわずかな重心の移動や、気持ちがふと動く瞬間。
もっといえば、生まれてはじめて感じる「ゆれ」は、きっと誰かの腕の中で、
愛情がこもったまなざしを感じながらのものだったはずです。
私たちは普段あまり意識しませんが、身体も心も、ずっと揺れながら生きています。

この作品では、その「揺れ」を出発点に、ダンサーたちの身体が立ち上がり、
やがて群れとなって、ひとつの景色をつくっていきます。
さらに今回は、DJの生演奏や木炭を使った重厚な舞台美術も加わり、
空間そのものがゆらいでいるような、不思議な体験が広がります。


ここから少し、個人的なお話を。

演出・振付の北尾亘さんと出会ったのは、約10年前の仙台でした。
北尾さんが所属されている表現者ユニット「さんぴん」の滞在制作に、制作助手として関わらせていただいたのがきっかけです。

そこで、北尾さんのお人柄のあたたかさと、キレッキレの身体にすっかり魅了されてしまい、気づけばファンに。

その後すぐに、Baobabの第10回本公演『靴屑の塔』が仙台で上演され、
それが私にとってのコンテンポラリーダンス観劇デビューでした。
「ダンスってこんなに自由で、こんなに幅があるんだ」と衝撃を受けたことを、今でもよく覚えています。

実は、吉祥寺シアターで働くことになったきっかけも北尾さんでした。
北尾さんがX(旧Twitter)で職員募集をリポストしているのを見て応募し、そのまま上京したのです。

そんなふうに、私の人生の節々に登場しているBaobab。

そして今回のタイトルである「ゆれ」も、実は私にとって切り離せないものです。

東日本大震災当時、私は福島の高校生でした。
3月11日、数学の授業中に鳴り響いた緊急地震速報。
校則で携帯は禁止されていたので、先生が注意しようと振り向いた次の瞬間、
大きな揺れが教室を襲いました。

校舎にはひびが入り、近くの建物が崩れるのも目の当たりにしました。

翌日、仙台にいる家族や友人に会いに行く予定があり、
「仙台港で海鮮丼を食べよう」と約束していました。
タイミングが少し違っていたら、まったく別の未来になっていたかもしれません。
その約束は、今も叶わないままです。

一方で、震災をきっかけに、進学の道が開かれたという側面もありました。
奨学金の給付や学費の減免によって、大学に進学することができました。

失ったものと、与えられたもの。
どちらも確かにあって、どちらかだけでは語れない出来事です。
だからこそ私は、「ゆれ」という言葉に、怖さだけではないものを感じています。

揺れることは、不安定さでもあるけれど、
同時に、何かが動き出すきっかけでもある。

この作品は、そうした“揺れの両面”を、
身体を通して体験させてくれるものになるのではないかと思っています。

「ダンスって難しそう」と思っている方にも、ぜひ観ていただきたいです。
この作品は“理解する”というより、“感じる”作品。

音や空間、身体の動きに身をゆだねているうちに、
気づけば自分の中にも何かが揺れている。

そして観終わったあとには、ほんの少し、
前を向くための感覚が残っているかもしれません。

ぜひ劇場で、この“ゆれ”を体感してみてください!

ころ

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