現在、たまごちゃんは武蔵野公会堂に出張中!
コロコロ!(ホールの中に行ってみよう!)
いよいよ、ホールロビーから移動し、ホールの中を散策します。
静けさと温もりが共存するホールへ


ホールの中に足を踏み入れると、やわらかな色合いとシンプルなラインが目に飛び込んできました。
自然との調和を大切にした空間は、どこか懐かしく、静けさと安らぎを感じさせます。
約350席のホールは、落ち着いた温もりに包まれていました。
そんな中、パープルがたまごちゃんの耳(?)元でそっとささやきます。
「ここはね、もともと420席の平土間ホールだったんだよ。」


たまごちゃんはびっくり!
椅子を置かなければ舞台空間としても使え、机を並べれば会議や語らいの場にもなる、当時としてはとても画期的なホールだったのです。
変化し続ける空間の物語
時代とともに、ホールは少しずつ姿を変えてきました。
半地下構造で、1階から地下1階へとゆるやかにスロープが下りていく客席。
両脇にはバルコニー席が設けられ、カーテンを開けると外はガラス張り。
自然光が差し込むたびに、舞台の表情も変わって見えます。


ふと見上げると、天井はスギ板が張られた逆アーチ。
その形は、外観のアーチ状のくぼみとぴったり呼応していることに、たまごちゃんは気づきました。
なんだか嬉しくなって、ちょっと得意げ。


しかし次の瞬間、たまごちゃんは驚きます。
天井に散らばるペンダントライトのひとつが、今にも切れそうにチカチカしていたのです。


慌てたパープルは、電球交換用のアーム器具を取り出して、なんと作業を開始!






天井の高い場所で器用にライトを回すその姿に、たまごちゃんは思わず見とれてしまいました。
コロコロロ!(これぞ職人技!)
緞帳に込められた想い
一仕事を終えたパープルは、ホールの用途についてたまごちゃんに教えました。主にピアノや声楽の発表会、講演会、映画上映会、各種式典イベントなどが行われているとのこと。
(そんなに色々な用途で使えるの?)
そんなたまごちゃんの疑問に答えるかのように、パープルが合図すると、ゆっくりと緞帳(どんちょう)が降りてきました。
その表面には、武蔵野の象徴である“けやきの年輪”が描かれています。


昭和39年に寄贈されたこの緞帳は、武蔵野市の限りない発展を願ってつくられたもの。
長い年月を経てもなお、温かな息づかいを感じさせます。
そして、再びパープルの合図で、幕が上がると……


ピアノと反響板が並んでいたコンサートスタイルから、一転して講演会形式へ!
その変化にびっくり仰天のたまごちゃん。多目的ホールの魅力を実感します。
(でも……緞帳って、どこに隠れちゃったの?)
ふたたび素朴な疑問を浮かべるたまごちゃんに、パープルはそっと建物の構造を教えてくれました。
「一旦ホールから出て外観を眺めてみると、構造が分かるかもしれないよ」
素直に外に出て、公会堂の外観を眺めてみると……


緞帳!!!
思わず声が出てしまったたまごちゃんでした。
舞台裏には“秘密基地”があった!
再びホール内に戻り、ぐるりと見て回るたまごちゃん。
舞台上から客席を眺めると、なんだか出演者になったような気分に。


そんなたまごちゃんに、パープルが舞台上手側をのぞくよう促します。
そこで見つけたのは……“秘密基地”のような空間!


それは舞台の照明・音響・緞帳などを一手に操るホール操作室でした。
ずらりと並ぶスイッチやフェーダーに、たまごちゃんの目はキラキラ。
思わず「かっこいい……!」とつぶやいてしまいます。
さらに舞台裏へ進むと、楽屋がありました。
鏡前に立つたまごちゃんの姿は、まるで小さな俳優のよう。


(将来は俳優に……いや、エンターテイナーも悪くない……。いつかステージに立つ日が来るかも……)
そんな想いが胸に芽生えたようです。更なる成長が楽しみですね。
南側・北側、ふたつの楽屋を見学し終えたところで、パープルが声をかけました。
「たまごちゃん、そろそろ会議棟に向かうよ。」
60年の記憶と、未来への一歩
たまごちゃんは、静かに振り返ります。
このホールには、60年以上にわたる時間が刻まれている。
その歴史の中で、音楽も言葉も、たくさんの“出会い”が生まれてきました。
新しいものと古いものが共存する場所――。
その空気を感じながら、たまごちゃんの胸には何かが芽生えます。
もしかしたら、この出会いが化学反応を起こすかもしれません。
まだまだ続く「たまごちゃん見守り係」のお散歩(出張!!!)。
次回は、いよいよ会議棟へ向かいます!




